Fuel Your Fire

身体はキッチンで作られる。
精密な計算と戦略的栄養摂取が、勝敗を分ける。

1. Calorie Management

ダイエットの基本は熱力学の法則です。まずは自分の基礎代謝 (BMR)総エネルギー消費量 (TDEE) を正確に把握することから全てが始まります。

BMR & TDEE Calculator

使用数式: 改訂ハリス・ベネディクト方程式 (Roza and Shizgal, 1984)

あなたの1日の総消費カロリー (TDEE)

--- kcal

減量目標 (-500kcal)
--- kcal
増量目標 (+300kcal)
--- kcal

2. Diet Methodologies

メソッド 特徴とメカニズム PFCバランス目安
ローファット
(Low Fat)
王道にして最強。脂質を削ることでカロリー密度を下げます。炭水化物を摂取できるため、トレーニングの強度(高重量)を維持しやすいのが最大の利点です。インスリン感受性が高い人に適しています。 P: 30%
F: 10-20% (最低限)
C: 50-60%
ケトジェニック
(Ketogenic)
糖質を極限までカットし、肝臓で脂肪から「ケトン体」を生成させ、それを脳と筋肉のエネルギー源にします。空腹感が少なく、短期間での体重減少が早いですが、導入期(ケトーシスに入るまで)に倦怠感が出ることがあります。 P: 30%
F: 60-65% (主燃料)
C: 5%以下 (葉野菜のみ)
インターミッテント・ファスティング
(16:8 Diet)
「何を食べるか」より「いつ食べるか」。1日のうち16時間は絶食し、残りの8時間で食事を済ませます。インスリンレベルを下げ、脂肪燃焼時間を確保します。胃腸を休める効果もあります。 上記いずれかと組み合わせ可能

3. Seasonal Strategy

OFF SEASON: 筋肥大期

筋肉を増やすには、消費カロリーを上回る摂取カロリー(オーバーカロリー)が必要です。

  • リーンバルク (Lean Bulk): TDEE + 200〜500kcal程度に抑え、体脂肪の増加を最小限にしつつ筋肉を増やします。現代の主流です。
  • ダーティバルク (Dirty Bulk): ジャンクフードも含め、カロリーを気にせず大量に摂取します。体重は増えますが、余分な脂肪も多くつき、その後の減量が過酷になるため推奨されません(インスリン感受性の低下リスクあり)。

ON SEASON: 減量・調整期

コンテストや目標日に向け、筋肉を残して脂肪だけを削ぎ落とします。

  • 段階的カロリー制限: いきなり摂取カロリーを半分にするような方法はNGです。代謝が適応して停滞します。2週間ごとに体重の変動を見ながら、炭水化物か脂質を少しずつ削ります。
  • リフィード (Refeed): 定期的(週1〜2回)に炭水化物を多めに摂取する日。レプチン(食欲抑制ホルモン)レベルを回復させ、代謝の低下を防ぎます。「チートデイ」とは異なり、脂質は抑えて炭水化物のみを増やします。
  • カーボローディング (Carb Loading): 大会数日前から炭水化物摂取量を増やし、枯渇した筋グリコーゲンを充填して筋肉をパンプアップさせます。現代では完全な枯渇期間を設けない「改良法」が一般的です。

4. Essential Supplements

食事で足りない栄養素を補うのがサプリメントです。魔法の粉ではありませんが、正しく使えば強力な武器になります。

Whey Protein

牛乳由来。吸収が速いため、トレーニング直後や朝食時に最適。WPI(アイソレート)は乳糖不耐症の人でも飲みやすい。

EAA / BCAA

必須アミノ酸。血中アミノ酸濃度を維持し、トレーニング中の筋分解(カタボリズム)を防ぐ。特に減量中は必須。

Creatine

クレアチンモノハイドレート推奨。筋力向上、水分引き込みによる細胞ボリュームアップ。1日5gを毎日摂取。

Multivitamin

代謝の補酵素として働くビタミンB群や、免疫維持のビタミンD・C。減量中は食事が偏るため特に重要。